豪快に家の中で炭火焼きをしている彼らは、日本で働くカンボジア人とベトナム人。
手のひらをこちらに見せて「大丈夫、窓開いてる」彼らにとっては、そういう問題だけだ。
母国の田舎地区に住む人は、お風呂は川に入って洗うという。冗談かと思ったが、本当らしい。
水は雨水をためて使う家が多い。確かに、それなら川で洗ったほうが効率はいいと納得してしまう。
生活ぶりを聞いていると、ワイルドで豪快に感じる。
しかしその一方でインターネットも使いこなしていたりする。
発展途上が一気にITの世界にワープしているようだ。
休みの日に彼らの住む家に行くと、大音量で音楽を楽しんでいる。近所には家がないので問題ない。
そして裸足で外に出て来たりする。
なんで靴履かない?と聞くと、手のひらをこちらに向けて、「大丈夫」という。
普段は玄関で外靴からスリッパに履き替える。そして部屋の前で脱ぐ。
でもスリッパで外にも出るし、床拭きもする。ここは日本だが、そこの敷地だけカンボジアとベトナムになっている。
いつもの口癖「なんでもいい、大丈夫。」彼らは細かいことは気にしないのだ。
現場の空気は上の人で決まる
日本に働きに来ている彼らの楽しみは、田舎だから特にない。
飲んでカラオケをするか、Face Timeで家族や友達と話すことだけ。もちろんアクティブな人もいる。
時々子供達と遊びに行くが、狭い世界で生活している子供達にとったら、とてもいい刺激になる。
みんな平均年齢が若いので、国が違っていても盛り上がる話題は一緒だし冗談が大好きだ。
カンボジア人たちはクメール語を話すし、ベトナム人はベトナム語。みんなの共通はカタコトの日本語になる。
ベトナム人の方が真面目だとよく聞くが、それは関係ないと私は思う。
同じ現場で働く日本人は、外国人が来てもあいつらなんて半分しか使えない。。なんて心ないことを言う。
それを言うなら、日本人だって同じだ。
「日本人だって面接に来ても年齢が高いし、採用したって戦力になるのは一握りでしょう。若い人が来ても辞めて行く。
それなら平均年齢が若い彼らの方が、確実なのでは」
外国人だって日本人だって、真面目な人と、怠け癖のある人はいる。働きに来てもらっている立ち場を忘れて、偉そうにしてはいけない。
日本はこれからもっと助けてもらう立場
今の日本は、少子化で、ましてや肉体労働に希少な若者は来ない。
政府は少子化問題をなんとかしようとしてきたが、日本に来る留学生も、技術や知識を手に入れたらほとんどが母国に帰ってしまう。
もう移民を受け入れて多民国となるしかないのだ。
しかし何十万人も増やすと今更言っていたが、急には無理だ。
わざわざ国を跨いで働きに来てくれている外国人労働者に、私たち日本人は感謝しなくてはならないと思う。
幸せな外国人たち
もちろん、すごく周りの待遇が良くて幸せにやっている外国人たちもいる。
共通しているのは、上の人間が外国人に対してとても優しく接しているから、他の人たちも優しい。
外国人だからといって、見下す様な最低なことは、決してしない。
もちろんこういう会社は人種に関係なく人を大事にできているから、定着率が高い。
みんな居心地よく働くことができるし団結力も強まる。
みんなで頑張ろう!という気持ちになれるのだ。肉体労働の世界では、若い力とチームワークは大事だ。
海外に働きに行く!それだけで勇気のいることだと思うし、20歳くらいなら不安な気持ちも大きいだろう。
これからもっと外国人が日本に増えていく中で、私たちは暖かく迎え入れてあげたい。
若い発信力は凄まじい
カンボジア・ベトナムと聞くと、裸足で上半身が裸の人たち。このように想像すると思う。
田舎は実際そうだ。しかし今はITで、このギャップがなんとも言えないが、とにかく若い力は勢いがある。
国民の平均年齢が25−30歳位。活気に満ちた所に人は集まるものだ。
テクノロジーを使って急激に成長する若い国と、年寄りばかりの国の日本。
彼らは毎日SNSを使って、母国の家族や友達と繋がっている。
『若い力とSNSの力』日本でのいい話も悪い話も、全て筒抜けの情報社会だということを忘れてはいけない。
日本で働くなら、この会社が良い!という評判もネット上ですぐに広まる。
ベトナムで、バイクを「ホンダ」と呼ぶように。
スコップでやっつけた!
ある現場で外国人と仕事をした時の話。
突然大きな袋が欲しいと言ってきた。見ると60センチくらいか?大きな魚を手にしている・・・・・
一瞬言葉を失ったが、それどうしたの?と聞くと。ソコの川で取った!と。
川なんてあった?見渡すと確かに、川みたいなところはある。
彼らはとても目が良い。
濁っていても見つけることができるのだ。
スコップで叩いたら、浮いて来たそうだ。
気になる魚は鯉だった。帰って早速三枚におろした鯉の画像をLINEで送られてきた。
たくましい彼らの生き方を見ていると、羨ましく思えてくる。
血が強いから大丈夫
彼らは血が強いらしい。自分で言っている。俺たちは血が強いと。
私がインフルエンザになったときも、血が強いから病気にはならない自信たっぷりだった。
日本人でも時々そういう人がいる。遺伝子が関係しているらしいが、それが血が強いということか。
彼らが寝込んでいるときは、ショックなことがあって落ち込んでいる時だ。とにかく家族愛が強い。
国を離れていても、仕事よりも家族だ。母国の家族に何かあったら、休んで寝る。
日本では仕事第一という考えが強いけど、日本人の仕事優先の考えは世界で見れば少数派になる。
外国人の家族に何かあっても、帰ることは難しい。せめて数日間、休ませてあげるのが優しさになる。